家というのは、愛情を注いで一緒に歩んでいくものであると、あきしの建築工房は考えています。
いつもは空気みたいな存在だけど、ふと気づいた瞬間に、あたたかな気持ちになる。
時間の経過と共に味わいを増す内装、床の小さな汚れ、柱に刻まれたキズでさえ、思い出に彩られた建物の魅力です。
ですがそれは、住み人が建物への愛情を持ち続け、経年による劣化やトラブルに対して適切に対応するからこそ得られる感情ではないでしょうか。
せっかく、様々な夢を描いて作り上げた建物なのですから、末永く、出来れば何十年でもお付き合いして頂きたい。
押し付けになってしまうかもしれませんが、正直に申しまして、これが私どものポリシーなのです。
もちろん、そのような愛情が持続する建物を設計し、完成からアフターフォローまでお世話させて頂くのが、私どもの役割です。それについてはおまかせ下さい!
建物に対して、過剰に執着しては本末転倒です。
ですが、愛情を持って接すれば、かけがえのない癒しの空間になってくれるのが建物です。
だからこそ建物は、仕事への活力を高め、家族を癒し、より良い人生を歩むための原動力になってくれることと思います。
建物は、様々な技術により作り上げられます。
建築に関する技術は日進月歩。傲慢になって気を緩めれば、すぐに置いていかれます。
素晴らしい建物を造るためには、それに伴う技術・能力が必ず必要なのです。
ですから、あきしの建築工房は、日々努力を怠らず、常に新しい技術を学びながら、お客様にご満足頂ける建物造りを目指すことをお約束したします。
当たり前のことですが、いくら良い建物を造りたいと願っても、気持ちだけでは不可能なのです。
建物造りのプロフェッショナルとして、お客様のリクエストに充分にお応えする。そのために能力を高め続けます。
そこにいるだけで、ゆったりとくつろげる。足を踏み入れた瞬間にホッと落ち着く癒しの空間。
そんな建物の裏側には、綿密に計算されたプロフェッショナルの技術が隠れています。
建物に用いる木材にも、地域との相性があるということは意外に知られていません。
あきしの建築工房は奈良県を中心に活動させて頂いておりますが、奈良県で木造の建物を造る場合、やはり奈良県産の県産木材が気候に合っていると感じます。
建物の素材となる木々は、長い長い時間をかけて成長してきました。その時間は人間の比ではなく、桧の柱だと、最低でも30年は生きてきた木が使用されます。
そして、加工された木々は、姿を変えながらずっと生きているのです。建物の一部となって第二の人生を送り、住まう人を支え続けてくれます。
生きているわけですから、当然、感情があるようで、生まれた土地との環境が違えば違うほどストレスがかかります。
私どもは常に木材と接しているから分かるのですが、木も生まれ育った環境に近いところで使用される方がストレスが少なく、クセや「アバレ」を抑えることが出来るのです。
昨今は、建物造りの現場でも、誰がどの方向に使っても曲がりがなく均一な強度が出る集製材が好まれる傾向にあります。
元来、木を切り出してから製材するまでには、貯木から乾燥まで多くの時間を要する上に、節の目立たない場所を選んだり曲がりが出にくい方向を見る卓越した”職人の目”が必要でした。
ですが悲しいことに、現在では多くの日本人にその時間と技術は無駄と捉えられるようで、誰がどの方向に使っても曲がりがなく均一な強度が出る集製材が簡単に選ばれるのだと考えています。
もちろん集製材にも良い部分はたくさんありますが、地場の木材を用いた建物には、他にはない大きな魅力があります。
奈良の地域材にこだわって建てたというステータス、住んでからの木の香りなど、なぜ、自分が木造の建物を建てよう考えたかという原点に立ち返れるかと思います。
そのような意味で、あきしの建築工房は奈良県の県産木材を用いた建物にこだわって、その良さを引き出すために技術の研究と向上に励んでいます。